牧場37日目

ジュロームの思いつきで2泊か3泊かの山登りに行くことになったんだけど、昨日ヘイデンに言われた「マジで行く気なの?この間のハイキング(Able Tasman)の4倍はキツイぞ」と言われたのが気になるけど、やけにジュロームは「君ならできる!大丈夫!」と自信たっぷりなのでまあはあ大丈夫だろ、にしても何泊するのかも決まってないのかよ、そっちのが大丈夫かよ。となった。

7時起床、7時半出発。行く前の荷物チェックで「防寒着持ってる?」と聞かれて エッ防寒着?!?!無いですけど。そうか私は今から山へ行くのか、となった。とりあえず長袖ヒートテック1枚とダウンベストを引っ掴んで出発。

ジュロームの運転で町へ。スーパーで買い物。日本食好きなジュロームのご要望にお応えして、米を追加購入、やたらおにぎりを欲しがるジュローム。「米があったら、、おにぎりが作れるじゃん!!!!」「米ちょっと残しといて、後でおにぎり作りたいから」を何回聞いたかわからん。

買い物終了、ジュロームが飛行機のチケット買わなきゃ〜というので隣で見てたら、値段もろくに確認せずにパパパ〜と決済してて、あらあら私は怖くてそんなことできんわと思ってたら「フライトの日にち間違えた〜」と頭抱えてて笑った。いやしっかりしとらんのかい。そっからジュロームのポンコツっぷりが実に発揮され、車の鍵とスマホを1日に何回も車の中で無くすわ、歯ブラシやら石鹸やら家に忘れて私のシャンプーで体洗うことになるわ、服が足りずに手洗いして回すわで、いやいや大丈夫そうだったけど全然大丈夫じゃないんかい。

その後、今夜の山小屋の料金支払いに町中のビジターセンターへ。予約ができなくて、先着順でベッドが取れる仕組み。3人〜20人泊まれる小屋がフィールド内にいくつかあり、1泊15ドル。ガス無し電気無し、水道はある。はえ〜まあAble Tasman トレッキングのときに泊まった小屋もそんな感じだったよね〜と安気に支払いして、さてところでそこの天気はどんな感じ?とスタッフさんに聞いたらその場で調べてくれた。えーと、今日は一日中強風、駐車場の気温は現在マイナス2度、あなたたちが止まる小屋あたりは最高気温マイナス4度、山頂はマイナス18度だね。まあ火を焚いてちゃんとした服着てれば大丈夫だよ。………………エッ マイナス?マイナスって言った?それって最高気温?最低でも困るのに最高気温?今って夏?本当に夏?私は今半袖ティーシャツを着ているのですけれど?ふとジュロームを見たら フームとか言って唸ってるけどお前これ本当に行く気なのですか?オーケー、ありがとう。ジュローム、マジですか?プランを立て直しませんか? ビジターセンターを去りつつ恐る恐る聞いてみたら「……あなたが何を持ってきたかチェックします」と言って粗方私の持ってる服たちを見て、まあ行ってどんな感じか見ないとわからんよね!!!!と出発。まじか〜。まあ行ってみてどんなもんか見てみようじゃないの、マイナス2度を。

そこから1時間半のドライブ、山をぐんぐん登り、駐車場に到着したら思いっきり雨降っててあーあーもうダメだよこれはとなった。めちゃくちゃ寒いし。ジュロームも半ば諦めたようで、そこから行けるキャンプサイトを探して、ゴールデンベイ方面に向かうことになった。ちなみにジュロームの車は3列シートのバンなんだけど、その後方2列が解体されてベッドと流しになってて、最大2人車内泊が簡単にできるのだ。山小屋がなくてもテントがなくてもとりあえず宿には困らないからすごいぞ!

道中ヘーゼルナッツを2キロ買う。その後道を間違えて偶然寄ったビーチで蕎麦を茹でてお昼ご飯にする。火はキャンプ用の簡易コンロ。もう意味がわからんけどそういうことです。まさか人生でビーチを眺めながら蕎麦をすする日が来るとは。そして蕎麦がジュロームのお気に入り料理に加わる。

道中 ELL feedingなるものを見つけて、最近うなぎがブームなので行こう行こう!っつってうなぎにドッグフードをあげる体験をする。キモいくらいデカイうなぎがうじゃうじゃいて面白かった。

夕方ごろキャンプ場到着、せっかくだからちょっとその辺出かけようっつって、南島の最北端の地へ。風がめちゃくちゃ強い。でも最高にいい景色。荒れ狂うニュージーランドの海なんてそうそう見えるもんじゃない。牧草に寝転んでジュロームの思い出話を聞いたりした。

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その後キャンプ場に戻り、晩ご飯の支度。フランス人の習性として、ご飯前に何か食べたいものらしく、いつもみそ汁がご飯より先に用意されててちょっと面白い。基本炊飯担当の私は日に日に飯炊きが上手くなっています。まさかご飯会の経験がここで生きるとは。メニューは、白ごはん、ゆかりご飯、チリフレーバーのツナ缶のワンプレート。買ったヘーゼルナッツを割って食べる。

キッチンで会ったおじさんがジュロームに絡んで、私を指して「君のガールフレンドは料理うまいの?」と聞いててウオッまあ側から見たらカップルに見えるよな。とギョッとしてたら「彼女はガールフレンドじゃないけど料理うまいよ」と返してて、さすがですとなった。

さて宿について、泊まったのはキャンプ場なので、あるのは共同の水場と炊事場と、テントが建てられるスペース。私たちは車内泊。ということは、私のすぐ横でジュロームが寝ることになるということ。ヒエ〜〜そうですか。距離としてはシングルベッドを2人でシェアする感じです。近え〜〜まあ寝袋は別だし大丈夫だろ。と呑気に構えてて、まあジュロームもジュロームだしあんま気にしてないんだろうな、と思ってたらめっちゃ早口になってて お前緊張してんのかいとなった。

寝る前、なぜか話がカッパの話になって、眠くて呂律が回らなくて「カッパ巻きっていう寿司があって、、」「カッパマキ?」「カッパマキ、、」「鉄火巻きってのもあって、、」「テッカマキ?」「テッカマキ、、」「全然言えん、、おやすみ、、」となって寝たらその後めちゃくちゃカッパマキでいじられることになった。